トロピカル~ジュ!プリキュア最終話感想です。
まずはアバン、いきなりの変身…
は、まなつの夢オチでした。
裏を返せば、これくらい強引に変身ノルマを達成しないといけないくらいにはこの後が濃密というわけです。
というわけで感想やっていきましょう。
まなつたちの物語はどこへたどり着くのか。
おしながき
演劇のラスト
夜、女王様と連絡を取っていたローラ。
その様子を、まなつもバッチリ聞いていました。
翌朝、様子がおかしいローラと、隠し事の出来ないまなつの行動から、何かあるということを他の3人も察知。
そして、女王になるためには明日にもグランオーシャンへと帰らねばならないことがローラの口から伝えられました。
あまりに急すぎる知らせ。でも、あとまわしにしたツケがどうなったか、彼女たちは身をもって知ったばかり。
辛くても、”今”決めなくてはいけない。そう言ったローラを勇気づけるように、まなつも「私たちは忘れない!」と宣言。女王を選ぶことは、決して友達を切り捨てることじゃないよ、というメッセージになっていますね。
そして演劇の直前。
ローラはみんなに、劇のラストを変えたいと申し出ました。
先週の感想で、みのりが「『今のまま、みんな仲良く暮らしました』というラストにした」というのが逆のフラグじゃないかと書きましたが…当たりましたね。
ローラが提案したラストは、「女王になるために、自分の国に帰る」。
これは、事実上の決意表明です。劇のラストと同じように、ローラもグランオーシャンへ帰ることを選択したのでした。
まなつの涙
始まる演劇。
まなつたち自身をモデルにした「トロピカる物語」。
紫のチューリップやみのりとの入れ替わりなど、印象的なエピソードが続きました。中学生らしい演技の場面もあれば自然体の場面もあって、まさに彼女たちの物語といった感じですね。
「黙れ」好き。
そしてラストシーン。
「この町に来て、みんなと仲良くなって…」
あの時は劇のセリフだと勘違いされた言葉。もちろん今も劇だけど、それがローラの本心であることがちゃんと伝わっています。
「だけど」
ここからは、練習には無かった言葉。女王になるために、帰らないといけない。そう話して、笑顔で別れようとしたローラに…
まなつが泣きながら抱きつく。劇の「ロザリア」という名前ではなく、「ローラ」と呼びながら。
ローラが悩んだ末に決めた、「いま一番大事なこと」。それを尊重したい気持ちはもちろんある。一方で別れたくない、ずっと一緒にいたいという気持ちもある。気丈に振舞ってきたまなつ。ローラの決断を、自分の言葉で惑わせてはいけないと、考えていたんじゃないでしょうか。でも我慢できなかったんですね。
だけどやっぱり、こうして欲しかったですよ。ローラが決めたことを、みんなが尊重する。素敵なことですけど、それで納得してさよならは寂しいですから。
まなつの想いを受け止めたローラ。それでも決断は変わらない。少しくらい揺らぐかな、と思いましたけどこれもまた美しい。泣くまなつを優しく慰めて、最後の歌へ。
これまた感動の歌シーンが始まる…まだ始まらなかった。
さっきまであんなにやさしい表情をしていたローラ、怒濤の変顔からのブチ切れ。こういう緩急が”トロプリらしさ”ですね。
改めまして、感動の歌シーン。
これはもう言葉で言うのは野暮ですね(感想記事でそんなこと言うな)
ローラの涙
いよいよ別れのとき。
ここまで涙をみせなかったローラがついに決壊。そんなローラに、まなつが勇気のリップを塗って励まします。
劇のときはまなつを励ましていたローラが不安で涙を流し、
別れの寂しさから泣いていたまなつが笑顔でローラを送り出す。
綺麗な対比になっているなと思いました。
「人魚の掟」については、方々で既に予想されていましたが人間と人魚の寿命差によるものでしたね。始まりとなった人魚が、寂しさのあまり自ら記憶を消してしまったというのがなんとも悲しい。
それでも覚えていたい、寂しさよりも忘れてしまうことの方が悲しいと、永遠の友情を誓い合うまなつたち。それを聞いたローラは、「また会いましょう」と返して人魚の姿へと戻り、海の中へ。
思わず呼び止めてしまったまなつに応えるように、もう一度宙を舞うローラ。この辺の細かい演出が今週は本当に丁寧でしたね。
そして今度は本当に、海へと帰っていくのでした。
そして…
朝食を食べる夏海まなつ。
まなつはお母さんと2人暮らし。
だから、そんなはずはないのに、なぜか家にもう1人誰かがいたように感じる。そう言って戸惑うまなつの右側は、なんだかいつもより眺めがいい。
今日はあすかの卒業式。さんご、みのりを合わせた4人で活動してきたトロピカる部の机には、それよりも1つ多いメロンパン。
そんな地上からは遠く離れた深海では、ひとりの人魚が...
なーんて演出してみましたが、彼女たちが忘れても、視聴者である我々はもちろん覚えています。
さて、友情を誓い合ったはいいものの、ローラだけでなくまなつたち地上の人間からも記憶が失われている様子。どんな仕組みなんだ。装置ってあれ頭につけなくていいのか?
かくして残された手掛かりは、まなつに貰ったリップと、「魔女のところへ」という落書きのみ。
女王になるための勉強を頑張っているローラは、人間の世界を見に行く許可を貰います。デジャヴ。
それにしても、あれだけ色々言っていた女王様も全部忘れているのでローラをあっさり地上へ送り出しててじわじわくる。
記憶を失う前のローラはどうやら元・魔女一味に根回ししていたようで。魔女一味だけは記憶を失わない。そう思ったローラは彼らを記憶のバックアップ先としたのですね。思わぬ形での活躍でした。
地上に着いたローラは…あの場所へ。
記憶を失う前のローラも、きっとまなつが来てくれると思っていたのでしょう。
その思惑通り、まなつもそこにいました。
再会を果たした2人。初めは思い出せなかったけれど、会話をすると無意識にお互いの名前が。
そして2人に呼応するように光り出すアクアポット。溢れる思い出。シャボンピクチャーをこうやって使ってきましたか…
この構図、タイトルコールのセルフパロディにもなってるんですね。
記憶を吸い出す装置も爆発四散。全ての記憶は戻り、大団円となったのでした。
EDではみんなの今後がちょっとだけ映されていましたね。夢に向かって進むさんご、みのり、あすか。グランオーシャンの人々に人間のことを教えるローラ。海の妖精たちと関わりを持つようになった元・魔女一味と、幸せそうな様子が見られて良かったです。
と、いうわけでトロピカル~ジュ!プリキュアはここまで。
海へ帰る→再会という流れはなんとなく予想できていましたけど、想像以上に早い再会でビックリしましたね。でもあんまり後になるとまなつが大人になったのにローラはそこまで成長していないとかになるか…まあ早く会えるならその方がいいに決まってますね!
一度は忘れてしまったものの、最後はまなつとローラがちゃんと自力で思い出したというのが凄く良かったと思いますし、それに呼応してちょっとした奇跡が起きるというのもプリキュアらしい締め方でした。
総括的なものはまた別で書こうと思いますが、作品としては”トロピカる”という楽しい雰囲気を保ちながらテーマが終始一貫し、数多くの描写や伏線も綺麗にまとめた完成度の高い作品だったかと思います。
トロピカル~ジュ!プリキュア、1年間ありがとうございました。楽しませていただきました。
そして私も1年間よくやめずに頑張りました。冗談抜きで作品テーマに励まされました。
来週始まる「デリシャスパーティ♡プリキュア」も頑張っていこうと思うのですが自己都合でちょっと規模縮小するかもしれません。これについてもまた別の記事で。
今回はここまで。また。