ミリアニ第12話感想です。最終回。あっという間だったなぁ...
※筆者は先行上映にてミリアニ12話まで視聴済です。先の展開をほのめかす・展開を知っている前提の考察等は本記事で行わないつもりですが、
ってこの説明もういらないね。
《各種用語》
ミリシタ→”アイドルマスターミリオンライブ!シアターデイズ”のこと。ミリオン2代目にして現在唯一稼働中のソシャゲ。【2017年~】
グリマス→GREE版”アイドルマスターミリオンライブ!”のこと。ミリオン最初のゲーム。基本設定はミリシタに受け継がれているが今と異なるものもある。【2013年~2018年】
ゲッサンミリオン→漫画”アイドルマスターミリオンライブ!”のこと。ミリオン最初のコミカライズ。グリマス設定準拠。未来・静香・翼を中心とした作品。
BC/ミリオンBC→漫画”アイドルマスターミリオンライブ!Blooming Clover”のこと。アイマス界最長のコミカライズ。ミリシタ設定準拠。可奈・志保を中心とした作品。
BNS→漫画”アイドルマスターミリオンライブ!Brand New Song”のこと。ミリシタ設定準拠。百合子・桃子・このみを中心とした作品。
アニマス→THE iDOLM@STERのアニメ。765プロのアイドル13人(通称765AS:オールスターズ)が登場する。ゲーム"アイドルマスター2"準拠。始めてプロデューサーの顔をハッキリ設定した作品でもある。
劇場版→アニマスの映画。765ASに加え、ミリオンライブから登場したアイドルが7人登場する。ミリアニは概ねこの作品の後の時系列と考えてよいが、一部設定が異なるパラレルワールド。
バトンタッチ
Team2nd”海風とカスタネット”から今度はソロ攻勢。
最終話である12話は大部分がライブパートで進行する大胆な構成。想いは歌で伝えるというミリオンライブのスタンスですね。
まつりの”フェスタ・イルミネーション”に、亜利沙の”チョー↑元気Show☆アイドルCh@ng!”。フェスタの開演を告げる曲に、コールが盛り上がる電波系ソング。1stライブっぽいセトリですね。というかリアルのミリオン1stを踏襲してるのか。
フェスタ・イルミネーション:徳川まつりソロ1曲目(LTP10収録)。特徴的なフレーズと韻を踏み倒した歌詞が耳に残る。息継ぎができない曲としても有名。イルミルミルミルミルミ…
チョー↑元気Show☆アイドルCh@ng!:松田亜利沙ソロ1曲目(LTP09収録)。アイドルは超常現象。ソロにして”@”がタイトルにつくという、アイドルへのリスペクトがある亜利沙ならではの曲。
続いてTeam5thの出番。紗代子が眼鏡を託す相手は未来。
紗代子が未来に勇気をもらって、今度は紗代子が先に出て未来に後を託す、バトンが繋がってるよね。
Team5thの曲”バトンタッチ”がここで初披露。
個別回での掘り下げは少なかった5thですが、個人的にはクオリティの高いライブシーンが貰えてめちゃくちゃ嬉しかったですね(美也Pの端くれです)。フォーメーションダンスで、5人が代わる代わるセンターに来るようになっているところが好き。顔、足元、全体といったカメラの切り替えも巧みで、割り込みもほとんどなかったので、MVとして完成されてるな~と思いましたね。
同じく初披露だった3rd”オレンジノキオク”は他チームのカットも挟まってたので、ちゃんとストーリーとライブで出番を調整しているのが分かる。色々難しい中で最大限工夫しているのが伝わってきた。
Sentimental Venus
そんな順調に進むライブの裏で、機材トラブルの予兆が。しかしアイドルたちがそのことを知るはずもなく。
不安を感じさせる演出の中、続いての出番は奈緒、杏奈、風花で”Sentimental Venus”。
あっ…
Sentimental Venus:LTP05収録。オリメンは水瀬伊織、百瀬莉緒、真壁瑞希、エミリー。ミリシタでは最も秒数が少ない曲としてイベラン勢に重宝される。
機材トラブルのフラグは立ちまくってたとはいえ、この確定演出は流石にちょっと笑っちゃったよね。
☆史実:2ndライブでSentimental Venusが披露された際、トラブルで大サビ前に音響がストップ。その際は会場のPたちが合唱を始め、キャストも歌唱を再開してアカペラで最後まで歌い切った。メンバーはアニメと同じ渡部優衣(奈緒)、夏川椎菜(杏奈)、末柄理恵(風花)。また、関係者席にいた今井麻美(千早)が歌う姿もきっちり映像に収められている。
プロデューサーがライブの成功を確信し(フラグ)、会場のボルテージも高まったところで…なんと大サビ前に音響がダウン。
しかし3人はすぐにリカバリー。アイコンタクトをして歌唱を再開。ホンマに新人か?
千早の叫びも届いたか。「止まらないで!」がアニマスを思い出して刺さるなぁ。
客席を盛り上げつつ、最後まで歌い終えたのですが...
瑠璃色金魚と花菖蒲
トラブル直後こそ乗り切ったものの、いまだに復旧しない音響。
未来は居ても立っても居られなくなって走り出す。何をすればいいかは分からないけど、これまでも未来はそうやって進んできたんですよね。
そうやってがむしゃらに走った先にさ、
プロデューサーがいて。そのPが自分と同じ願いを持っていることがどれだけ嬉しいかってことだよね。
Pの想いを受け継ぐかのように、今度は観客が拍手とライトで応援。ペンライトの光は勇気。
☆ペンライトの光は勇気:ミリシタ2周年楽曲”Flyers!!!”の歌詞。
アイドルも、プロデューサーも、ファンも、想いは同じ。
みんな待ちきれないんだと、気持ちは同じなんだと思って走り出した結果、みんなの輪を乱してしまった原っぱライブの思い出。それでも走り続けて、たどり着いたこけら落とし公演でみんなの想いがひとつになっていることを知る。
ミリアニにおける主人公”春日未来”の着地点として素晴らしかったなと思います。
そうして繋いだ舞台の裏で、覚悟を決める子がひとり。
白石紬。
これまでずっと不安でアタフタしていた紬が、ライブが止まるかもしれないという状況で初めてステージに立てないことの寂しさを感じるんですよね。心理描写が凄い。
怪我の功名というか、紬にはこうやって自分と向き合う時間が必要だったかも。出番の直前、”繋ぐ”ことに集中した紬の横顔が凛々しく、美しい。
”瑠璃色金魚と花菖蒲”、圧巻のステージでした。
先行上映でも圧倒されて、初見の人にミリアニを勧めた理由の3分の1くらいはこれと言っても過言ではない(ちなみに2話の静香も同じくらいの割合を占める)。恐らくこのシーンのために紬のカッコいい部分が隠されてましたからね。初見の人はこのギャップに魅了されたんじゃないでしょうか。
続いて歌織さんで”ハミングバード”。歌織さんの実力は登場時点で出てはいたけど、ステージに立つと改めて凄いなって。シンプルに歌が上手すぎる、表現力がありすぎる。
原っぱライブの時にはいなかった2人がピンチのあとを繋いでくれるアツい展開で、グリマス→ミリシタのリレーを意識しているところもありそうですね。
REFRAIN RER@TION
そうしてみんなが繋いだ先にあった、Team8thの出番。
8thメンバーの中では唯一ソロ曲の披露がなかった未来の見せ場はMC。
ずっとみんなを引っ張ってきて、公演の前には円陣の掛け声も務めた未来が、最後に繋いでくれたみんなへの感謝を伝えて曲に入る。美しいリレーですね。
こう考えると機材トラブルも単なるリアルライブの再現ではないわけで。途中加入の2人が繋ぐことがもつ大きな意味。そして何より、多くの人の想いが自分のステージに繋がっていることを改めて未来が認識する。これを描くためなんです。
”REFRAIN RER@TION”。
これまでのミリオン楽曲とは違った雰囲気だなというのが最初に聞いた印象でした。
静かに、言葉のひとつひとつを紡いでいくような。だからこそ積み重ねた想いが伝わってくる。歌い出しの「ずっと待っていたような気持ち」。劇中で未来たちが過ごしたデビューまでの時間でもあり、ミリオンライブというコンテンツが過ごした10年という時間でもあって、2つのニュアンスが矛盾なく合わさった曲になっているんですよ。
歌割りがまた最高で、”本気”を翼が、”憧れの向こう”を静香が歌うところでミリアニのストーリーが思い出されるし、39人が登場して最高潮になるところで「ありがとう」が来るのがミリオンの集大成って感じで素晴らしいよね。
本当に、10周年というこのタイミングだからの楽曲なんですよ。
決して簡単な道ではなかったけど、だからこそみられる景色もある。そんな可能性の話を現実に見せてくれたのがミリアニという作品なんだと思います。
Brand New Theater!
こけら落とし公演を終えた未来たち。でもこれは始まりなんです。
「これからも、ず~っと、ず~っと一緒に走っていこう。」
そんな未来の掛け声とともに流れる最後の曲は、ミリシタ最初の楽曲”Brand New Theater!”。その曲とともに、これまで発売されたCDやイベントのキービジュアルが映し出されていく演出。
ここからは、我々がミリオンライブで見てきた日々であり、これから見ていく日々なんだなって。最後にに現実のPたちともリンクしていくキレイな終わり方でした。
Thank you!
2期わい!と言いたい気持ちはいったんしまっておきつつ総括を述べると、本当に素晴らしいアニメだったと思います。
もちろん十分な活躍がなかった子もいました。いましたが、ストーリーでの掘り下げがないなら日常パートでの出番を、ライブを、あるいはアップの絵をというような最大限の工夫が感じられました。むしろアニメ化前の想定からすればこんなに出番あっていいの!?という感覚。
なにより制作陣の愛を随所に感じました。そんなところ回収するか!?という要素まで拾い上げ、それでいて単なる内輪受けでなく、それぞれのピースに意味を持たせてひとつの物語として繋げる。
私がミリオンライブを追っている期間は決して長いわけではないですが、それでもこのタイミングでアニメ化したことは大きな意味があったと思いますし、追いかけてきて良かったと感じる作品でした。
ありがとうミリオンライブ。
願わくばこの作品の続きが見られることを。
BD購入という行動に込めてこの感想記事を終えたいと思います。