えのメモ

プリキュアとミリオンライブについて日々考えている者です。

【トロプリ17話感想】ローラの”今”と選択【トロピカル~ジュ!プリキュア】

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トロピカル~ジュ!プリキュア17話感想です。

 

”今”を大切に、選んだ答え。

 

 

おしながき 

 

 

 

魔女の拒絶

囚われのローラ。そんな彼女に魔女は語りかける。

仲間になれば人間にしてやる、という取り引き。

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あとまわしの魔女と囚われのローラ(出典:トロピカル~ジュ!プリキュア17話)

 そんな取り引きをローラは強く突っぱねます。このあたり、先週時点ではもうちょっと揺れるものかと思っていたので意外でしたね。

敵の甘言には乗らない、というのもあるでしょうが、それに加えて「人間のやる気を奪ってあとまわしの世界を作る」という魔女の野望を聞いたのも大きいでしょう。

 

「そんな世界、誰も望んでない」

10話ではやる気を奪われたまなつを目の当たりにしましたからね。そんな姿、もう二度と見たくないはず。

 

一方で、”人間になりたい”というのもローラの望みには違いなかったようです。ローラ自身の口から語られたのはこれが初めてですね。

そんな想いを抱えつつも、「私の願いは私が叶える」と再度魔女を拒絶。その場から逃げ出し、交渉は決裂となりました。

 

ここは原作の人魚姫と対比して「何かを犠牲に何かを得ること」についてのやりとりになると思っていたんですが、あまりそういう文脈にはならなかったですね。まあ人魚姫の魔女と違ってこっちの魔女は明確に敵っていうのもあるかな。

 

 

 

ローラの選択

追っ手バトラーの攻撃によって深層に沈んでいくローラは、自身の深層が反映されたかのような夢を見ました。

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ローラの見た夢(出典:トロピカル~ジュ!プリキュア17話)

まなつたち、トロピカる部のみんなと過ごす日常。

ローラが見た夢はきっと、もう一つの意味での夢、すなわち願いでもあるのでしょう。

 

目を覚ましたとき、ローラはグランオーシャンの人魚の女王のところにいました。

ローラは人魚の女王に問います。「次はどうすればいい?」と。

女王は「あなたはどうしたいのです?」と返す。

 

ローラは女王になるという目標のもと、プリキュアを見つけるという使命をやり遂げてきました。その使命を終えたローラは女王候補者として、グランオーシャンに帰るという選択もあるわけですね。

 

けれどもローラは答える。

「もっとずっと...まなつたちと、みんなと一緒にいたい!」

それが今一番したいこと

少なくとも今、現時点において、ローラの一番は”グランオーシャンに残って女王を目指すこと”ではなく”まなつたちと過ごすこと”になった。地上での日々で、彼女たちの存在がローラの中でそれだけ大きくなっていたということでしょう。

 

 

地上へと戻っていったローラは、あとまわしの一味に襲われているまなつたちを目にします。

先ほど吐露した願い。もっとずっと、みんなと一緒にいたいという気持ちがローラにはある。

であれば、彼女たちを傷つけるあとまわしの一味たちは許せない存在。

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絶対に許さない!(出典:トロピカル~ジュ!プリキュア17話)

まなつたちを守りたい。ともに戦いたい。

そんなローラの想いが、女王から貰った石に呼応するとき、奇跡が起きる。

 

 

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キュアラメール(出典:トロピカル~ジュ!プリキュア17話)

リップチークアイズヘアーの4人の力に、ネイルを加えた5人目の戦士。

ゆらめくオーシャン、キュアラメールの登場です。

 

 

戦いの後、変身を解いたローラにも足がありました。

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自分の足(出典:トロピカル~ジュ!プリキュア17話)

”まなつたちと一緒にいること”を願ったために、副次的に足を得たということなんでしょうか。

 

実際、気になることはあります。

ローラは完全に人間になったのか。

人魚に戻ることはもうないのか。

人魚の女王になるという元々の夢はどうなるのか。

 

このような部分を語ることなしに、わりとあっさりプリキュアに、人間になったなという印象があったのは事実です。

でも、

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ローラの笑顔(引用:トロピカル~ジュ!プリキュア17話)

ローラのこの笑顔を見れば...まなつたちと過ごすこと、そのために人間になることが彼女にとってどうしても叶えたかった願いだったのもわかるんです。

だから、”今”だけは。彼女が叶えた願いを心から祝福するべきだと、そう思いました。

 

 

 

ローラの葛藤は終わり?

ローラはプリキュアになり、足を得て人間になりました。

これについて、「人間になれてよかった」と思う人もいれば、「人魚としてのローラのアイデンティティはどうなるの?」と思う人もいるでしょう。

私は後者の意見にも同意できます。これまでの感想で散々「人間になれてよかったわーいで終わるはずがない」なんて言ってますからね。

今回の話は「人間になれてよかったわーい」で終わってます。どうも、予想外しマンです。

 

それでも、私はまだ完全に予想を外したとは思っていません。

きっとこれから触れられると思うんですよね。

なぜなら、人魚としてのアイデンティティについては、今回の展開では触れなかったのではなく触れる流れにならなかったのです。

 

ローラがプリキュアに変身するとき、「人間になりたい」「足が欲しい」と願ったわけではないんです。変身のトリガーはあくまで”まなつたちと一緒にいたい”というもの。

足については、ずっと得たかったものが予期せず得られた形なので、その瞬間は嬉しさが勝るのは至極当然のことだと思います。

一方で、「人間になりたいけど、人間になったら人魚の女王にはなれないかもしれない」という葛藤を、ローラはまだ経験していないんですよね。

 

ローラは魔女との取り引きで犠牲を払うことなく人間になった。けれど、本当に何の代償も払っていないのかは、これからわかるかもしれません。持っていたものの大切さは、失ってからわかるものですから。

 

以上、予想外しマンの最後の抵抗でした。

 

 

人魚の女王、ローラがいったん人間を選ぶことも想定のうちなんじゃなかろうか