トロピカル~ジュ!プリキュア16話は、アバンで登山。
ローラが見つけた桃色の綺麗な花はコマクサ。
「高山植物の女王」と呼ばれるその花は、他の植物が生息できないような過酷な環境でも咲くことができる。人魚としてひとり陸で生きているローラによく似ています。
コマクサが高山で生きられるのは進化によって気候に適応したためですから、「ローラが環境へ適応するために変わっていく」という意味も込められているのかもしれません。
ちなみにコマクサの花言葉は「高嶺の花」「高貴な心」「誇り」「貴重品」です。どれも今回のストーリーにピッタリ。
というわけで16話感想、始めていきましょう。
おしながき
願いと代償
登山が終わっていつも通りの学校生活。
まなつたちに内緒で抜け出したローラが向かっていたのは図書室でした。
読んでいるのは人魚姫。そこにタイミングよくみのりが現れます。
「もしかしてローラも、人間になりたいと思ってる?」
と直球の質問を投げかけるみのり。うろたえるローラ。
そんなローラに対して、みのりはさらに人魚姫のストーリーを話していく。
ご存知の通り、人魚姫とは人魚が美しい声と引き換えに足を得る童話。
そんな話をローラは「バカみたい」と否定。
みのりはさらにその話を一般化し、「なにか望みをかなえようと思ったら、別の何か大事なものを失わなくちゃならないのかも」と主張。
これは「今一番大事だと思うことをやる」という本作のテーマとも繋がってきそうですね。
「人間になりたいと思ってる?」みのりの問いに対するローラの反応から、そのような考えが全く無いということはないでしょう。ただ、ローラの目的はまなつたちと自由に過ごすことで、人間になるというのはその手段なんですよね、きっと。
ローラの本当の願いはなんなのか?というのがひとつ、キュアラメール覚醒へのポイントになりそうです。
魔女との取引
少し飛ばして本編後半、捕まって魔女と対面したローラ。
「ローラは人間になりたいんじゃないか」と、魔女は主張してくる。みのりも言っていたように。
それによってローラ自身も、自分の願いはそうなんだと考えるようになってしまっているんじゃないかと感じましたね。思い込みってヤツ。
望みを叶えてやろうと言う魔女。
魔女との取引は童話のように「人間になる代償に何かを捨てる」というものになるでしょう。皮肉にもそのような論理があることを、みのりとの会話で知ってしまった。
人間になることが正解なんじゃないかと悩んでいるローラは、こんな怪しい取引にも揺さぶられてしまう。
この取引に対してローラがどのように答えるのかが第2のポイントですね。
ネイルの意味
さて最後に。
今回の話......個人的にはもうひとつ、見過ごせない描写がありました。
まなつ家でのネイルのやりとりです。
まなつの家でまなつのお母さんに会ったローラは、お母さんの足に塗られたペディキュアに関心を寄せます。
しかし、足のない自分はつけることができません。
そこにまなつが「手の指に塗ろうよ」と提案しました。要はマニキュアですわな。
まなつのお母さんは、仕事に影響が出るのでマニキュアはできない。これは「何かを得るために何かを捨てている」例と言えるかもしれません。
でもそのかわり、まなつのお母さんはペディキュアをしています。
ローラも同じ。尾ひれの彼女はペディキュアをつけられませんでしたでしたが、マニキュアをつけることはできたわけです。
これは、ローラにとっての「別解」の示唆なんじゃないかと。
何かを捨てなければ得られない正解への道筋から、
少し捉え方を変えれば別解が見えてくるのかもしれない。
そんな意味があるんじゃないかと感じたワンシーンでした。
私がこのシーンをそう解釈しただけで、実際にそうなるかは分かりませんけどね。ローラが足を得るというのは事実としてあるわけですし。キュアラメールは足にもネイルしてますし。
ローラの望み、魔女との取引、ネイルの意味。
フワっとした締め方になってしまいましたが、今回はストーリーに答えが出されていないので仕方ないですね。考察というより予想になってしまうので。
いよいよキュアラメール登場。来週がとにかく楽しみですね。