ヒーリングっど♡プリキュア8話の感想、今週も書いていきます。今回はちゆのお話。
おしながき
空と海との間には
6時に目を覚まし、髪を結び、着替え、靴紐を結ぶ。毎朝のルーティーン。
毎朝のランニングを続けているのは、ハイジャンプのため。
じゃあそのハイジャンプはなんのため?…そのルーツはちゆの幼少時代にありましたね。 少し時間を先に進めます。3人でランニングをした朝のこと。
海と空が溶け合ったその情景が、幼い彼女に与えた影響は大きかった。
海を泳ぐように、空をも泳いでみたい、というのがハイジャンプの原点だったわけです。
「自分の限界を感じたとき…海を見ると、また跳ぼうって思えるの。」
限界を感じたときに、彼女が見るのは空でなく海。
高い目標ではなく原点を見つめなおす、ということなんじゃないかなと私は解釈しました。
時間を戻しまして。
ちゆのハイジャンプの原点は、空を泳いでみたいという願いからでした。ですから、ちゆが「陸上は自分との戦い」と言ったのもごまかしではなく本心なのでしょう。
ただ、競技としてハイジャンプをしている以上、周りの相手が気にならないことはないんですよね。それは本人も自覚していたこと(自分の現状認識をちゃんとしているのはちゆのすごいところ)で、やっぱり写真を見たことは不調の一因となったのでしょう。
ただ海の話を2人にしたことからわかるように、「ちゆが初心を忘れて記録にこだわってしまっている」というわけではないんですよね。であれば、話の焦点は(ちゆの不調とは)別にあるんじゃないかと考えました。
プリキュアに見る努力論
今週の焦点は、「ちゆの努力(に対する考え方)」だったのかなと私は思いました。
ちゆが跳べなくなった原因をイップスだと診断し、心配するペギタン。ちゆはそれをありがとうと言いつつ、練習に出かけます。それを見てますます心配し、のどかとひなたのところに駆け込みます。
様子が気になっていたのはのどかとひなたも同じだったんですよね。ただ、3人の間にはペギタンの知らないやり取りが既にあったわけです。
「頑張るのも大事だけど、あんまり無理しないで、ちゆちゃん」
「記録でなくても死なないし!ね?」
のどかとひなたの言葉は真にちゆを心配して出たものですし、恐らく正しいことであると思います。
昔の根性論が主流であった時と違い、「適度に」「無理をせず」というような部活への取り組み方が近年では叫ばれるようになっていると感じます。部活がすべてではないわけですからね。
ただ、
「それでも私は跳びたいの… 今は無理をしてでも、自分の限界を超えたい」
何かを成すときには、少し無理をして頑張らなければいけないときも、きっとあるはずなんですよね。
ちゆは誰に強制されることもなく、「自分が成し遂げたい目標」のために不調でも無理をして頑張ることを決めました。
もちろんちゆが正しいとは限りません。ただ、こういう時に休むだけではなくもう一段頑張って壁を越えてみることも必要、ということを提示したのは「医療」がテーマの本作で重要なことであると感じました。
最後のシーン。大会が中止になった会場で、ちゆは再びジャンプの感覚を取り戻しました。みんなの応援のおかげなのか、大会のプレッシャーから解放されたからなのか、プリキュアとして戦う過程で克服したのか、それともやっぱり努力の成果なのか。……それはわかりません。
ただ、ちゆが壁を超えるために少し無理をし、努力したことは事実。今回のお話はそんな「一段踏み込んだ努力論」にあったんじゃないかなと私は思いました。
それにしても、「大会が再開してジャンプする」のではなく「中止になった会場でジャンプする」という演出が素晴らしかったですよね。
彼女が何のためにハイジャンプをしているのかがわかる良い描写だったと思います。
おまけ~のどかとひなたが可愛い件
今週はちゆをメインとした回でした。その分、のどかとひなたのやり取りが増えるんですよね。それがかわいいと思ったので最後に載せておきます。
①隠し事が出来ない2人
益子くんが持ってきた写真を、クラゲの写真だとごまかす2人。この時点で十分ごまかせていないですが、ひなたが「西中陸上部の写真とかぜんっぜん見てないし!」とトドメの一言。この2人、優しい上に素直なので隠し事できなさそう。
②被っちゃう2人
ちゆの様子がおかしいと感じたので朝のランニングに付き合おうとする2人。それぞれで考えてきたのにわざとらしすぎて結託してたみたいになってますね。よけいになにかあると思われちゃうぞ。
③想像の中の2人
ペギタンに失礼な妄想をされる2人。確かにこういうところあるけど。ところでこれくらいの子って手をつなぐのは普通なんですかね? 間に入りたいですが百合好きに怒られるので止めておきましょう。