トロピカル~ジュ!プリキュア4話が放送されました。
キュアパパイア、一之瀬みのりが本編初登場です。
昨日見た映画に出てたけど
おしながき
一之瀬みのりが感じたリアル
まなつたちが図書室で出会った少女、一之瀬みのり。
人魚姫の物語を愛するみのり。しかし、彼女にとって人魚姫はヘクション...ではなくフィクション、「おとぎ話」であり、創作上の存在だったわけですね。
みのりも人魚の物語を現実のことのように信じていた頃があったのかもしれません。その具現化が彼女の書いた小説、「マーメイド物語」。
ですが友人か、はたまた文芸部の部員か、自身の小説を否定されたことで、人魚を信じる心を失っていたわけですね。
「信じる」というのはさんごのお話でも出てきたテーマで、もしかすると本作の重要ワードなのかも。
その後、まなつが小説を見つけて「続きが読みたい」と言い、さらには本物の人魚であるローラが現れたことによって、みのりの止まっていた歯車は再び動き出します。
ただ、それでもみのりは「信じる」ことができていないんですね。ローラの尾ひれに触れなかったのがその証拠。人魚を現実のものとして感じるのが怖い、ということでしょう。
そんなみのりの背中を押すローラ。
まなつはあなたの物語を面白いと言った。あなたがプリキュアになれると信じた。だからあなたも自分を信じなさい。
ローラからまなつへの信頼が感じられる演説でした。ここのローラについては記事の最後でもうちょっと補足したい。
かくしてみのりは一歩を踏み出し、はじけるプリキュアひらめく果実(フルーツ)キュアパパイアへの変身を遂げたのでした。
踏み出した現実(リアル)を感じるように、ローラの尾ひれを触るみのり。
普段のみのりからは一転して、コミカルな戦いを見せたキュアパパイア。きっとこれが彼女の心の中にある世界なんでしょうね。彼女の物語がこれから紡がれていくのを見ていきたいです。
陰から太陽の下へ
今回のお話では光と陰が演出に用いられていました。
HUGっと!プリキュアでも似た演出が使われていて話題になりましたね。
自分はプリキュアにはなれない、という話をして以降、ずっと陰に入っていたみのり。
ローラに励まされたことで光の側へと踏み出します。
この演出は特徴的だったので気づいた人が多いと思いますが、もうひとつ、この演出にまつわるシーンがありました。それはまなつがみのりにリップを塗ろうとする場面です。
このシーンで、まなつはみのりのいる陰に踏み入っているんですね。
「太陽のよう」と比喩されるまなつは、陰なんて意に介さないということでしょうか。みのりが陰から光のある方へ踏み出したことも、太陽=まなつのいる方へ行くという意味も込められているように感じました。
人魚、ローラにまつわる暗示
みのりがローラがみのりにかけた言葉に、
「その足は、なんのためについてるの!」
というものがありました。
これはもちろんみのりに発破をかける言葉なんですが、足のない自分は戦うことができないという意味も取れますよね。
2話では人魚はプリキュアになれないとも言っていましたし、自分を信じることができていないのはローラも同じなのかもしれません。
人間へと恋をした人魚が魔女の力を借りて足を得た代わりに声を失い、最後は願い叶わず泡となって消えた人魚姫の物語を、ローラは否定しました。
あとまわしの魔女との戦いの中、ローラの物語はどこへたどり着くのか。願わくばローラが人魚としてのアイデンティティを保ったまま、まなつたちと進んでいく姿を見たいですね。
みのりの小説に出てきた人魚のように。